認定遺伝カウンセラーとは ABOUT GENETIC COUNSELORS

認定遺伝カウンセラーとは

遺伝と向き合うすべての人のそばで、“知る・考える・選ぶ”を支える専門家

私たちの体は、数々の遺伝子と染色体によって設計されています。
これらの情報には個人差があり、「多様性」があります。
しかし中には、遺伝情報の変化が要因となって発症する病気や体質もあり、それらは「染色体疾患」や「遺伝性疾患」と呼ばれます。
こうした病気や体質の診断・治療・予防に関わる医療を”ゲノム医療”といいます。

 

ゲノム医療を支える専門職、それが認定遺伝カウンセラーです。
私たち認定遺伝カウンセラーは、遺伝に関する医療や情報を必要とする患者さんやご家族に対し、
その思いに寄り添いながら、必要な情報を整理し、ご家族の選択を支えていく専門職です。

認定遺伝カウンセラーの資格

日本では、日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会が共同で、遺伝カウンセラーの認定制度を設けています。
認定を受けるには、指定された大学院修士課程での専門教育を修了し、所定の認定試験に合格・登録する必要があります。
資格は5年ごとに更新が必要で、更新には継続的な学習や実績が求められます。

活動の場

活動の場は多岐にわたります。
認定遺伝カウンセラーの多くは、病院やクリニックなどの医療機関で、医師・看護師・臨床検査技師などと連携しながら働いています。
また医療機関だけでなく、製薬企業・臨床検査会社・研究機関・大学などでも専門性を生かした活動が広がっています。
教育や研究の現場で、遺伝やゲノム医療に関する知識を社会に還元する役割を担っている認定遺伝カウンセラーもいます。

認定遺伝カウンセラーの働き方・活動

認定遺伝カウンセラーの仕事

対話を通じて、遺伝性疾患とともに歩む人の健やかな人生を支える

認定遺伝カウンセラーは、がん、神経疾患、先天性疾患など、遺伝が関与するさまざまな疾患を対象に、患者さんやそのご家族と向き合います。
「この病気は遺伝するの?」「家族に伝えるべき?」といった疑問や不安に対し、医学的な情報をわかりやすく伝え、疾患があってもその人らしく健やかに過ごしていけるようにサポートします。
一度きりの関わりではなく、必要に応じて長期的に伴走しながら、検査・診断・予防・意思決定までともに歩む役割を担います。

診療科を超えてゲノム医療をつなぐコーディネーター

認定遺伝カウンセラーは、は、小児科(先天性疾患、希少疾患)・神経内科(神経・筋疾患)・腫瘍内科(がん)・産婦人科(先天性疾患やがん、出生前検査、生殖医療)など、遺伝が関わるさまざまな診療科を横断して活動しています。
また、ゲノム診療を専門としていない医師や看護師、臨床検査技師といった医療チームの他の専門職に対して、患者さんの思いを共有するだけでなく、適切な遺伝子検査の提案、検査結果の遺伝学的な解説、最新のゲノム関連指針の周知などを通じて、患者さんご家族が総合的に質の高いゲノム医療を受けていただけるように働きます。

医療機関に限らず、検査会社、大学、行政機関など、遺伝の知識を必要とするあらゆる場で活動

認定遺伝カウンセラーは、病院などの医療現場にとどまらず、検査会社での遺伝学的検査結果の解釈支援や社内教育、大学・研究機関での教育・研究活動、行政機関での政策立案や啓発事業など、幅広い分野でその専門性を発揮しています。
遺伝情報が社会の中でよりよく活用されるよう、多様な現場で活動する専門職です。

もっと!認定遺伝カウンセラーの具体的な業務内容~遺伝カウンセリングの現場から~

認定遺伝カウンセラーは、単に「遺伝の説明をする人」ではありません。
ゲノム医療に関わる情報収集・準備・実施・記録・フォローアップといった一連のプロセスの中で、専門的な知識や技術を用いてあらゆる業務を行っています。

遺伝カウンセリングの準備

  • 予約の受付や変更の対応
  • 事前の聞き取り(患者さん・ご家族の意向や背景)
  • 遺伝子検査結果の確認・遺伝学的評価
  • 疾患や治療法に関する最新の医学情報の収集(文献検索)
  • 社会的資源(患者会・支援制度等)の情報収集
  • 患者説明用の資料作成

遺伝カウンセリング当日

  • 家族歴の聴取と家系図の作成
  • 疾患・遺伝形式・検査内容に関する説明
  • 社会的資源の情報提供
  • 不安や戸惑いなど、患者さん・ご家族の気持ちの受容と代弁
  • 同一家系内の他の家族への情報提供(希望があれば)

遺伝カウンセリング後の支援

  • 遺伝カウンセリング記録の作成・共有
  • フォローアップ電話や面談での継続支援
  • 検査結果や家系図の管理
  • 遺伝カウンセリング件数や検査件数などの業務データ集計

ゲノム医療の広がりを支える仕事

認定遺伝カウンセラーの仕事は、個々の患者さんへの支援にとどまりません。

  • 病院全体のゲノム医療サービスを向上させるための職員研修や勉強会の企画・実施
  • 各診療科や職種間のコーディネーターとして、チーム医療を支援
  • 学会での講演、研究論文の執筆、学生への講義・実習指導といった研究・教育活動
  • ゲノム医療に関する社会的理解の促進や、制度づくりへの関与

専門性とコミュニケーション技術の両立

認定遺伝カウンセラーには、遺伝学やゲノム医療の学術的な専門性に加え、
患者さんや家族の価値観を尊重しながら寄り添う高度なコミュニケーションスキルが求められます。

 

※本ページ中の「遺伝子検査」は、生まれもった遺伝情報を調べる遺伝学的検査のことを指しています。

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