遺伝学的検査・遺伝カウンセリングの費用
遺伝カウンセリングや遺伝学的検査にかかる費用は、診療内容が保険収載されているか否かにより異なります。
保険適用の場合
以下の条件を満たす場合、遺伝カウンセリング費用は保険適用となります。
- 医師の要件: 臨床遺伝学に関する十分な知識を有する医師が担当すること
- 検査の要件: 保険収載されている遺伝学的検査(★)を実施し、その結果について患者またはその家族等に対して遺伝カウンセリングが行った場合
この場合、患者1人につき月1回に限り「遺伝カウンセリング加算1,000点」(3割負担の場合3,000円)が算定されます。なお、遺伝学的検査の保険点数および遺伝カウンセリング加算は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において所定の条件を満たした場合でのみ算定することができます(算定可能な医療機関は、地方厚生局の届出受理医療機関名簿で確認することができます)。
(★)には以下が当てはまります。詳細は厚生労働省のホームページにある資料【医科診療報酬点数表】に掲載されています。(2025年1月現在)
- D004-2(悪性腫瘍組織検査)「1」のうち、マイクロサテライト不安定性検査 ※Lynch症候群の診断の補助に用いる場合に限る
- D006-4(遺伝学的検査):項目により3,880点、5,000点、8,000点のいずれか
- D006-18(BRCA1/2遺伝子検査):20,200点
- D006-20(角膜ジストロフィー遺伝子検査):1,200点
- D006-26(染色体構造変異解析):8,000点
- D006-30(遺伝性網膜ジストロフィ遺伝子検査):20,500点
その他、以下も遺伝カウンセリングにかかる費用は保険適用となっています。
- D006-19(がんゲノムプロファイリング検査)では、遺伝性腫瘍カウンセリング加算1,000点
- N005-4(ミスマッチ修復タンパク免疫染色(免疫抗体法)の病理組織標本作製)では、Lynch症候群の診断の補助に用いる場合に限り、遺伝カウンセリング加算1,000点
自由診療の場合
上記に当てはまらない場合は、自由診療(自費)で実施されています。具体例として以下が挙げられます。
- 遺伝学的検査の受検を伴わない遺伝カウンセリング
- 保険収載されていない遺伝学的検査の受検に伴う遺伝カウンセリング など
遺伝カウンセリングの料金は医療機関により様々ですが、1回5,000~10,000円台の施設が多いようです。遺伝学的検査の費用は検査対象遺伝子や検査手法により異なります。例外的に、研究の一環で行われている検査の場合に研究費で受検できる場合もあります(医療法の定める検体検査の基準を満たしていないこともあります)。